転がってしまったペンを集めていたら
社長の頭と私の頭がぶつかってしまった
社長も驚いた様子で
顔を上げると、かなりの至近距離で顔が近いことに気がついた
一瞬、何も考えられなくなってしまった
「悪い」
その沈黙を脱したのは社長の一言
『いえ、私が鈍臭いから…』
ペンをすべて拾ったことを確認し
立ち上がろうとしたとき
社長の手が私の手首を掴んだ
えっ?て社長を見ると
かなり厳しい顔をしている
『どうしましたか?』
何故と思いながら聞いてみたら
「それ、どうした」
社長の言葉と同時に私の胸の上を指差す
その瞬間、見られたと思った
今日はブルーのシャツにベストの制服
今日も誰にも気づかれないと思っていたが、まさか社長に気づかれるなんて…
いつもシャツのボタンを上二つ開けたままにしていた、だから今日も変わらなく過ごせると思っていた

