神谷絢斗、27歳、大学卒業後
すぐさま今の会社を立ち上げ5年
最初の1年は大手携帯会社へ研修を兼ね勉強をし翌年に店舗を構えた
着々と店舗数を増やしていった


『社長、3時から再来月のキャンペーンの打ち合わせですよ?』


声をかけると
肘をついて手のひらに顎を乗せて
掛け軸を見ていた社長は
チラッと私を見て

わかってるよ、と
面倒くさそうに言う


なんだよ、その言い方っ!
言いたくなるが、そこは雇い主
私が逐一言わないと忘れるくせに…


その様子をクスクス笑いながら見ている人がいた
社長の右腕、長谷部優さん
私の短大の先輩の…旦那様だ
優さんが私に声をかけてくれなかったら
私は路頭に迷っていただろう

優さんは笑顔がさわやかで
誰にで優しく、頼れるお兄さを的存在
社長と大学からの友人でもあり
よき理解者だ