「いらっしゃーい、」
笑顔で迎えてくれた藍さん
『お久しぶりです、お邪魔します』
変わらない笑顔にホッとする
『これ、食べれますか?』
そう言って、持っていた長方形の箱を持ち上げ藍さんに見せた
「あーっ!それはル・レーベルじゃない!食べるっ!」
『藍さん、大好きですよね』
藍さんはケーキの箱を受け取り
とても嬉しそうにしている
「優はまだなんでしょう?なら先に飲んでようか」
そう言ってワイングラスを持っている
『藍さん、妊婦でしょう?』
そう言うと
私はぶどうジュースで、と
笑いながらワインとぶどうジュースを出してきた
「では、久々の再会に乾杯」
グラスを軽く合わせた
短大時代、藍さんとサークルで知り合った
サークルと言っても、ふざけたサークル
当時はまだガラケーの時代
ガラケーのカメラでいかに被写体を綺麗に撮れるか、というサークルだ

