「いつまで抱き合っているつもり?」


冷ややかな声が飛んできた
声の方を見れば
優さんが若干呆れ顔で見ていた

そして、私達の近くで藍さんが
ボロボロ涙を流している


あー、私はまた二人に心配をかけちゃった


『優さん、藍さんご迷惑お掛けしました』


優さんが藍さんの肩を抱き寄せる
藍さんは優さんの胸へ顔を埋め
また泣き出してしまった


申し訳なさもあるが
こんなに私の為に…と思うと
胸が熱くなる



「…で?ずっと抱き合っているわけ?俺たち邪魔なら帰るけど?」


優さんの言葉に、やっと自分が何をしているのか気がつく



『ご、ごめんなさい』


どさくさに紛れて社長に抱きつくなんて
本当に恥ずかしい限り
慌てて離れようとしたが、
社長の腕から離れることが出来ない