Savior-社長は救世主-


「どうして?」


和弥の声にビクッとする
久しぶりに聞いた和弥の声は
とても低く、明らかに怒っている


『は、離して』


腕を払おうとしても
逆にぎゅっと強く握る

痛い、


「どうして?今までうまくやってきただろ?結婚だって考えて一緒に暮らしたんだろ?なんでだよ?」


痛い、痛い


『離してっ!痛いっ!は、離してっ!』



少しは緩まったが
離すことはしてくれない


「俺は澪と別れない」


どうして…
少しは理解してくれたと思ってたのに
和弥は全然理解してくれていない


『私は…無理…、和弥とこの先一緒に生きていきたいって思ってない』


言った、言ってやった
けど、それが和弥を豹変させてしまった


腕を引かれ、ソファに倒れこむ私
和弥の手は私の両肩を押さえ込み
身動きが取れなくなってしまった