あー、だからお兄さんはレストランを経営しているんだ
『寂しくなかったですか?』
「んー、今はさ、時間があるみたいで、たまに連絡きて飯食べたりするからね。小さい頃は兄貴がいつも一緒にいたから寂しいとかは無かったな」
なんだかホッとした
私の実家に来たことによって
社長に嫌な思いをさせてしまったのかと思ったから
「けど、やっぱり小森の両親の方が楽しいわ。親父さんもお袋さんも好きだな」
『はい、あの二人はいつもあんな感じなんです。また会ってあげてください!父も社長と一緒に飲めて嬉しいんです、弟はお酒飲めないし…父は昔から息子と酒を飲みのが楽しみだー、って昭和のお父さんかっ、てくらい、周りに言っていたんです。その夢が叶った気分なんですよ』
昨日の父の姿を思い出しながら
何気なく言った言葉に
社長は、え、あ、うん、と
なんだか変な反応だ

