「お世話になりました」
「気になさらないでください、澪の事を宜しくお願いします」
実家を後にした私と社長
予定外の一泊だったから
私達は昨日と同じ服だ
私は泊り用として下着だけは
実家に置いていたため、セーフ。
『ありがとうございました、社長が居てくれて、本当に助かりました』
「いや、俺も楽しかったから。俺の親父は家では殆んど飲まない人だったから、親父と飲むとこうなのかと思った」
『…お父様と、仲良くないんですか?』
今まで触れたことのない話だけに
聞いていいかわからなかったが
勝手に口が動いていた
「んー、両親は放任主義な部分もあったりしてさ、好き勝手やらせてくれたんだ。二人とも仕事してるから、一緒に食事した記憶があまりない。いつも夕食は兄貴かたまに来る家政婦さんが作ってくれてたんだ、姉貴は料理ダメだから」

