『社長、私はいいですから』
「あほか、いいから寝ろ」
『居候の身ですから』
「馬鹿か、女をソファで寝かす男がどこにいるんだよ」
藍さんの手料理をご馳走になり
社長のマンションへ戻ってから
私達はお風呂を済ませた
そして今、私達は
ベットとソファ、どちらに寝るかを
譲り合いをしている真っ最中
社長の部屋には布団、というものは無い
客間はあっても、何も無い
今まではどうしていたんだろう
誰か泊まりに来た時は?
女のひとは泊まりに来た時は?
チラッと見えた社長のベット
ダブルベッドだろう
一人で寝るために購入したのだろうか…
変な詮索ばかりしていたらため息が出た
……って、なに、今のため息っ
私が嫉妬しているみたい
やだ、やめてよ。
社長は私を必要だと言ってくれた
守るとも言ってくれた
けど、勘違いしたらダメだ
社長は雇い主で、私は雇われだ

