Savior-社長は救世主-


「送ってやるよ」


同じ時間帯に帰るのは珍しい
いつも私が帰る時間は
まだ社長も優さんも仕事をしている


『いいえ、まだ電車もありますので』


時計を見れば、まだ9時だ


「あ?俺が送ると言ってるだろ?」


あ?ってなんだよ
そんな所で俺様を使わないでほしい

残業は毎度のこと
だから今から電車に乗って帰っても
特に問題ない


『社長もお疲れでしょうから、早めにお休みになってください』


そう言って、社長と別れた
駅に向かいながらスマホを取り出し
ある人に、送信した

ヒールで1日過ごすと足はパンパン
出来るなら、送ってもらいたい…

けど、それは許されないことだ
電車に乗り込み、座ることをせず
3駅で降りる

そして駅の改札口で
待っている人を見つけた


気づかれないように、ため息をつく
必ず…迎えに来る
電車に乗る前にメールを送信した相手だ