「悪く言うと、お母さんが花蓮からお父さんを奪ったってことになっちゃうんだけど…でも、ここで振ったらお父さん、もう一生立ち直れないだろうなぁって思って。」
そうだったんだ…
「そして、花蓮の記憶が、春花の食い違う分の記憶と同じだったってこと…」
え?じゃあつまりは…
「私は花蓮さんの分の記憶も持ってるってこと?」
「そう…いうことになるわね。」
でも、一体どうして…?
「私、花蓮さんのお墓参りに行く。」
「え…」
「毎年命日に行ってるんでしょ?花蓮さんは、私のこれまでとおんなじ時間しか過ごせなかったんだもん…それに、他にも何か、分かるかもしれない。」
「そうね…お父さんに言っとくわ。それと、春花は学校があるから行くなら8月30日にするわね。」
「うん…お願い。」