「実はね…」
そこからお母さんとお父さんと花蓮さんの話が始まった。
人見知りだったお母さんは、同じく人見知りだった花蓮さんと気が合って、仲良くなったこと。
お父さんと花蓮さんは幼なじみで、両想いだったこと。
でも、お母さんはお父さんのことをどんどん好きになって、『振り向いてくれるかも…』と思って告白したこと。
結果は失恋だったこと。
その年の夏休み明けの初日、花蓮さんが事故にあったこと。
お父さんと花蓮さんは家が隣で、毎日一緒に学校に行っていて、その日も一緒だったこと。
『隣りにいたのにどうして守れなかったんだ…』ってお父さんが後悔しまくったこと。
それを見かねたお母さんが、側にいてあげたら、『花蓮の代わりになっちゃうかもしれないけど、ずっと一緒にいてくれませんか?』って告われたこと。
起きたことを全部、話してくれた。