『失礼します。』

先生が待つ職員室はやっぱりちょっと緊張する。

二人とも声がいつもとちがう。

遥も緊張しているとわかって少し安心した。

「おー、柳、相川。」

先生は小走りで私達の方へ向かってきた。

「先生、何かご用ですか?」

私が尋ねると

「ああ、次の部長の話なんだ。相川でどうだろう?」

遥は驚いているようだった。

でも、私は

「はい。遥なら泳ぎも速いし、信頼も、責任感もあるし、大丈夫だと思います。」

と、答えた。

先生も、

「うん。先生もそう思う。で、副部長なんだが…。」

「柳さんですか?」

遥が先生の声を遮って尋ねた。

代々、部長は男子、副部長は女子が任されていた。

私は玲奈が選ばれると思っていたから、私の名前を遥が言い、驚きを隠せなかった。

しかし、先生は、