君へ。この恋が叶いますように。

「柳、帰ろ。」

武くんの声がした。

「……うん。」

武くんの方を見ると、遥が視界に入った。

遥!

そう叫べたらどれだけ幸せだろう。

君に素直になれたらどれだけ幸せだろう。

君の隣にいられたら…

「柳?」

私…今なに考えて……。

「ごめん、帰ろ。」

「おう。」

どうして、武くんを好きになれないんだろ。

私はバカだ。

恋が楽しみで仕方がなかったのに。

いざ、恋をしたら苦しくて仕方がない。

「ごめん、武くん。用事思い出しちゃった。」

「用事?わかった。また明日。」

「うん、バイバイ。」

武くんの後ろ姿を見てなにも思わない。

遥の後ろ姿はあんなにドキドキするのに。

武くんの後ろ姿を、見てつのるのは罪悪感だけ。

「美都!!」

名前を呼ばれて振り返ると、息を切らせた玲奈がいた。

「どうしたの…?」

「別れて!!」

「え?」

「武くんと、すぐに別れて!!」

「どうして……?」

「お願いだから…っ!」

必死に私の肩を持って叫ぶ玲奈の目には怒りが感じられた。