武くんは毎日家まで送ってくれた。

でも、学校で話すことは少なかった。

遥と話すことも少なくなっていた。

「美都ちゃん!武くんとどうなの?」

「え、。」

また、クラスメイトに囲まれる。

「付き合ってるんだよねー?相川くんはー?」

胸を潰されているような激痛が走った。

「あ……。」

相川…遥 。

私が失恋した…。

大切だった人。

ううん、ちがう。

大切な人。

「どーなの!?」

クラスメイトが迫ってくる。

そうか。

私はまだ、遥のことを忘れられずにいるんだ。

武くん、ごめんね。

「あのさ。」

「玲奈ちゃん……。」

また、玲奈に助けられちゃった。

気まずそうにクラスメイトが離れていった。

「玲奈…ごめん。」

「いいよ。好きでやったことだし。」

玲奈の笑顔に体が軽くなるのを感じた。