その手をぎゅっと、離さないで


「仕方ない人たちだねえ…」

「あ?今なんつっ……!うっ…!!」

「おい、どうした?
あ、れ?あいつ逃げやがった!!」


「ふぅ〜」

実は、私…

小さい時から合気道や空手、柔道やらさんざん武道をやってきたからあれくらい余裕だ。

中学から六年間鍛えた走力を加えればすぐに逃げれた。


「おい、お前」

誰かに肩を掴まれた。

もう追いついたの!?

完全に油断してた。

どうしよう…

「なにしてんだよ」

―――光輝っ!

「光輝!!
一緒にいて!」

あれ以上絡まれるとめんどくさい。

ましてや合気道を使ったら余計にめんどくさくなる。

「え、どうしたんだよ」

「いや、なんか誘拐されそうになったからさ」

さっきあったことを全て説明した。

「それ、ナンパじゃん!
みんなと合流点するまで離すんじゃねーぞ」

「えっ…」

光輝の手…

男の手ってこんなに大きいんだ。

私でも指が長くて大きいねってよく言われるのに…

そして暖かい。

前にお姫様抱っこされたときよりも熱く感じる。

たぐっちゃんにはすごく申し訳なくなってきた。