その手をぎゅっと、離さないで


コースを待っている間に稚菜からたくさんの話を聞いた。

ここのお店は先祖代々受け継がれてきて、今の店長さんで八代目らしい。

そして、稚菜は今、その幼なじみのことが…



「どうぞ、召し上がってください」

中からは奥さんらしき人がでてきた。


「わぁ…」

魚をメインとした料理。

見た目でもわかる。

ひとつひとつの形がきめ細かく作られていて…

まるで、皿の中でいきているようだ。


「いただきます!」


「えっ…」

見た目に劣らない、繊細な味。

京野菜の付け合せも中まで味がしみていてすごく美味しい。

「お、美味しいです…!」

「ふふふ、なら良かったわ」

みんなも料理を堪能している。

稚菜もなぜか私たちと驚いている。


「あの…
このお店、看板がたってなかったですけど…
まさか、あの菊池亭ですか!?」

「えー!そーなんですか!?」

本田くんと桜庭は知ってるようだけど…

私たちにはさっぱりだ。

「あら、今の高校生にも知っている人がいるのね」

老舗だからあまり知っている人はいないってこと?

「はい!僕、歴史が好きで…
ここ、京都の歴史なんて特に」