その手をぎゅっと、離さないで


「華恋…私もうダメだ。
後は頑張って……」

「えー、ならいいよ…
とでも言うと思ったか!これ飲め!」

「おへぇ!!」

なにこれ!?

口に入れられたのはまさかの正露丸。

まずすぎて目が覚めた。

てかなんでこんな物持ってんの。

「あとちょっとだからお姉ちゃんファイト!」

頭が痛いって…。

あぁ明日遅刻したらどうしよう。

アラームかけとかなきゃ。

去年と同じようにはなれない…し。


えっ。

今年の始業式27日じゃん!?

その2日後で1年……。

早いな。

まだ想いは変わんないのに関係だけ変わっちゃって。

恋ってあんなにも簡単に終わるんだね。

笑っちゃう。


「お姉ちゃんボーッとしてないで早くぅ〜」

「ご、ごめん…」

「宿題やらせたんだから悩み事くらい聞くよ?」

「……いいの…?」

お姉ちゃんの話なんてどうせつまらないとか言って聞いてくれないと思ってた。

華恋はモテモテだし、私と違って楽しい恋をしてるだろうしな。