その手をぎゅっと、離さないで


「お客様、どうかされましたか?」

こ、このアイスモナカ…

私の大好きなモデルさんがCMにでてて美味しすぎるって話題の…!!!

コンビニ限定だから売り切れ続出だったのに!!

「こーーーきーーーーー!!!!」

コンビニの外で待っていた光輝の方へ一目散に飛んで行った。

「顔やばいぞ!!」

「三分の一ちょうだい!!」

ケチの光輝だから半分って言ったら嫌がりそうだし三分の一だけでも…。

「あ、半分こしよか?
これ桜華の好きなモデルのじゃん!?
だからしゃーなっしー」

「えーー!!!
ほんとに?ほんとにいいの?

じゃあいただきます!!」

周りの目なんて気にしない、気にしない。

とにかく美味しい。

すごく濃厚…。

「お、大食いだな…」

あ、もうなくなっちゃった。

「あ、はははは…
本当に美味しかったんだもん」

「ならあげるわ。
俺、金持ってきてるし違うの買ってくる。
桜華は先に帰ってろな、じゃあな!」

「えっ…」

そういってコンビニの中へ消えていった。

それにしてもあの味には驚いた…。

と同時に、ケチの光輝がすっごく優しかった。

なんか嬉しかった〜。