その手をぎゅっと、離さないで


なぜかわからない。

だが、俺は桜華を抱きしめていた。

桜華が大輝のことを諦めてないのは承知の上だ。

だったはずなのに…

直接言われるとやはり傷をおう。

俺は桜華のことが好きだ。

それに気づいたのは公園で桜華を泣かせてしまった日。

大輝と別れたって聞いた時は別にどうも思わなかった。

でも桜華を泣かせてしまった時、気づいた。

''俺はこの子を守らなければならない''そんな気がしてならなかった。

それから出会う度に声をかけようかまよったが、桜華が水浸しになっている時はそんな場合じゃなかった。

好きなヤツがいじめられてるのに男が動かなくてどうする。

でも俺はその時、彼女がいた。

桜華が濡れている時も近くにいた。

どうしようか迷ってしまった。

好きなヤツがあんな姿になってるのにほっとけなかった。

彼女なんてどうでもいい。

''桜華を守りたい''そう確信したのだった。



「ちょ、光輝っ!」

ハッ。

「え、あぁ、ごめん…」