その手をぎゅっと、離さないで


「たぐっちゃん、宮本ちゃん!」

「「んー?」」

なにから言おうか。

やっぱりいざとなると言いづらい。

でもケータイ使えないのもきついし…

言うしかない!!


「あのっ、ごめん!!」

お風呂の水面ぎりぎりまで頭を下げた。

「桜華ちゃん、どうしたの?」

「え?」

あれ、たぐっちゃん、怒ってないの?

頭をあげて話した。

「駅ではぐれちゃって…
そこから光輝と二人になっちゃったじゃん。
たぐっちゃんが好きなこと知ってるのにこんな
ことして最低だなって思って…」

「え、わ、私別に気にしてないよ!?
ナンパされたのにほっておく男の子のほうが
おかしいよ!
本当にあれはしょうがないよ
だから謝らなくていいよ!」

「たぐっちゃん……」

怒ると思っていた。

たぐっちゃんはすごく穏やかな子だ。

性格がいいことも承知の上だった。

でも、恋愛のことになると女って変わるとかなんとか聞いたことがあった。

だから、たぐっちゃんを疑うなんてことをしてしまった。

最低だ…。

こんなにいい友達を信用してなかった私なんか…

「最高じゃん」

……え?

「桜華、わざわざ謝ったじゃん」

あれは謝らなければならないでしょ…。