その手をぎゅっと、離さないで


稚菜が近くにいる気がして心が和らぐ。

「あ、あの…
夕食の準備を…」

「あっ、そうだった!ごめんなさい!
ついつい…ちょっと待っててね」

その笑顔は何度見ても稚菜そのものだ。

稚菜より少しだけ大人っぽいが、本当にそっくり。

美人で性格も良い姉妹…

妹がいる私からしたら羨ましくも思う。

「よーし!
これであとはしゃぶしゃぶして食べれるよ」

目の前にはズラリと生魚が並んでいる。

お姉さんが説明してくれるけど…

魚の種類なんてさっぱりな私にはほとんどわからない。

ただ、美味しいことだけはわかった…。


「「「いただきます!」」」

皆でいただきますをして、さっそくいただく。

「これすっげぇ美味しい…
僕が食べたしゃぶしゃぶの中で一番っす!」

確かにすっごく美味しい。

でもなんか菊池亭のお料理に似ているような…

「それなら嬉しいわ!
なにしろここの料理はあるすごいお店の
八代目さんから教わったものだもの」

「やっぱりですか!?
今日、菊池亭でお昼を食べたんです。
どうりでダシの味が似ていると思いました!」

言われた見ればそんな気もしてくる。

「でもナイショだよ?
八代目さんには口止めされてるから」