その手をぎゅっと、離さないで


「あら、あなたが柳下桜華さん?」

「あ、はい。
私のこと、知ってるんですか!?」

稚菜はあまり家族の話をしようとしない。

私が話をふっても嫌そうだったから…

仲が悪いのかと思っていた。

私のことを知ってるってことは仲がいいのかな?

「稚菜ね、京都に引っ越してからこっちによく
来るようになったのよ。
それであなたの話をよくしてくれたのを覚えて
いるわ。まさか会えるだなんて、嬉しいわ!」

稚菜…

大好きだよ…!

本当にいい友達、いや、親友をもったよ。

「そんなっ、色々ご迷惑をかけたみたいで…」


私がいじめられている時も、離れて欲しいと言ったけど稚菜はそれを何度も拒んだ。

ただの同情だと思っていた私は自分から稚菜を避けた時もあった。


「稚菜ったらね、すっごく喜んでたわよ。
引越し先でいつも友達ができないって悩んで
いたけど…桜華さんはすごく優しくしてくれた
って言ってたわ。
稚菜が自慢したくなるのもわかるわ」


そんな褒められてもいい事ないのに…

私なんか稚菜の重荷になってるじゃないかと何度も心配した。

でも本当は一緒にいてくれることが嬉しかった。

心強かった。

「今日、会ってきたんです。
元気にしていたみたいで嬉しかったです!
このブレスレットももらいました。
また、お礼を言っておいてください」

このブレスレット、絶対大切にするよ。

私も稚菜と同じで、形に残るものはあまりもらいたくないけど…