その手をぎゅっと、離さないで


「…な……、おき…す………よ?」

「……ん…?
あ、もう…つくの」

ケータイで時間を確かめるとまだ5時半過ぎ…

京都駅を出発した電車が5時7分発だったから…

「え!大阪までこんなに早く着くの!?」

あれからまだ30分くらいしか経ってない。

京都駅と大阪駅ってそんなに近いんだ…

もっと眠れると思ったのに。


今日は旅館で宿泊。

班のみんなとトランプしたり枕投げをしたりして夜更かしする予定。

だから今のうちに仮眠をとりたかったのに。

「今日のディナーは旅館のイチオシの…
海鮮料理や!しゃぶしゃぶとか刺身とかあるで
うぅー、想像しただけでヨダレが…!」

桜庭は本当に食べることが好きだなあ。

だけど体型はデブじゃないし、ぽっちゃりの部類にもはいらない。

陸上をしているから脚はガッチリしているんだけど、体はどちらかというと細マッチョ。

食べた分だけ脂肪になる私と違っていいな…。


―――マモナク~コノレッシャハ~…

「じゃあ忘れ物ないように行くぞ
あと、くれぐれもはぐれんじゃねーぞ!」

光輝が私の方を向いて言った。

もう私は大丈夫だから。

何かあったら対処できるし。

私の隣にいないでたぐっちゃんの隣にいてあげなよ。

今日あったこと…

たぐっちゃんはどう思ってるかな…

今日の夜、二人にちゃんと話さなくちゃ。