たまに視線が合うたびに
恥ずかしくて嬉しかった。
「コピーとってきて」なんて
仕事の雑用でも声をかけられた時には
飛び上がるくらい、胸が高鳴った。
誕生日や血液型、そんな些細なことを聞くのだって
嫌な顔をされたらどうしようなんて
頭をいっぱいにしながら
たくさんの時間をかけて
1つ1つ。
彼の事を知っていった。
知るたびに嬉しくて
もしも彼と付き合えたら。なんて妄想しながら
それでも
彼があの人と一緒にいるところを見れば
泣き出してしまいそうなくらい。
ズタズタに心がひきちぎれていったりもした。
彼の仕草や表情。
彼の全てに一喜一憂しながら
目まぐるしく時間だけ過ぎて
募るのは
私一人の想いの丈だった。


