驚いてもう一度先輩を見上げると
「もうフラレるの目に見えてるけど、買ったからには伝えたい。」
そういったあと、先輩はゆっくり深呼吸をして
真剣な眼差しで私を見つめた。
「周りの男に君を獲られたくない。だからフライングだけど・・・
恵梨香ちゃん。
君が好きです。
俺の恋人になって下さい!」
「えっ⁉」
驚いた私と
緊張した様子の先輩。
だって先輩には好きな人が・・・
「好きな人がいるって言ってたじゃないですか!」
思わず叫んだ私に
「何年前の話だよっ!」
先輩も驚きながら叫んだ。
・・・
と、いうことは?
本当に?
どうなの?
「フルんだったら早くフッてくれ・・・」
悔しそうに呟いたその表情が可愛くて
思わず抱きついた。
「えっ⁉なに⁉どういうこと?」
声をあげた彼を見上げて静かに瞼を閉じる。
これで分からないなら、男として失格です。


