「恵梨香ちゃん・・・?」
どしゃ降りの雨音に紛れて
後ろから内海先輩の声が聞こえて肩かビクッと跳ね上がった。
慌てて手の甲で涙をぬぐっても振り返ることなんかできない。
だって
雨と涙のせいでメイクだって半端なく崩れてるに決まってる。
今振り替えったら
確実に幻滅される。
そんなの嫌だよ。
「恵梨香ちゃん・・・こっち向いてよ」
「無理です」
「どうして?」
「無理は無理なんです!
それより・・・内海先輩、帰る方向逆ですよね?なんでこっちにいるんですか?」
「恵梨香ちゃんと、話したいことがあったから・・・」


