とたん



私が喋ろうとするのを、遮るように大次さんが私の口に人差し指を当てる。

そして、その状態のまはま口を開ける。


「春樹。」



「へ……?は、はい?」


そう言って私の口から手を離すと、その手も私の顔の横につき、私を逃がさないように囲う。

だんだんと大次さんの顔が近くなる。


そのまま大次さんは、キスされる!!っと思うほどの距離で、止まった。



「お、大次さん?」


確認するように私が見つめると、もう一度大次さんが口を開いた。


「……春樹だから。春樹って呼んで。」


……え、?


は、春樹?


「大次さんをですか?」


私が、疑問系で聞くと、当たり前じゃんっと笑い出す。

「言って?」


そう言って、大次さんは今にも唇が当たりそうな距離で私を見つめてくる。


正直、大次さんは本当に今まで出会った男の人の中でもダントツトップの顔の整い方だから

こんな近くで見つめられたら!!


「し、死んじゃう、!まって、まず落ち着こう!離れよう!!ね?!そうしよう!」

「やだ。離れない。」


そう言って、大次さんの胸を押していた私の両手を押さえつける。

「言うまで……離さない。」


と、いつもの大次さんからは想像も出来ないような甘い声と上目使いで私をせめる。


「っつ!!」



ひ、ひぇぇぇー!!!!!





このひと、魔性デスカ!!!!!!