大次さんは、少しだけうつむきながら横を向いた。
すこしだけ、顔が赤く見えたから、ちょっと照れているんだろうな。

「……だから、あのあと見に行ってもなかったんだ。」

少し呟いて、大次さんの顔を覗いてみる。
覗こうとすると、また不意っと横を向いてしまうから、顔がうまく見れない。

「大次さん!こっちみてください!」
「いやだね!」

もう、絶対照れてるのに……


……大次さんを初めて見たとき、思ったことがある。
わたしもいつか、あんな大人の男の人と一緒に並んで歩く日がくるのかなって。憧れてた。

でも今は違う。まだたった2年しかたっていないのに。
わたしは、この、目の前にいる大人の男の人の、大次さんの、本当に大切な人になりたい。

そう思ってるんだ。憧れじゃない。望んでいること。

「いつもツンツンなくせに、照れ屋なんですね。」

「うるせえぞ。」


大次さんの頭が手の届く位置にあったから。フワッとした黒髪にさわってみた。

「大次さん。私、あの時、私が見た知らない男の人……大次さんに、拾っていてほしいなってずっと思ってたんです。」

大次さんが、顔をあげる。
私を見つめる大次さんの目はやっぱり黒かった。

強くて、まっすぐで。私、やっぱりこの目が好き。


私、まっすぐに見つめて言うから。


だからもう一回だけ……言わせて。


「私、ずっと。大次さんが好きでした。今も、これからも。大次さんが大好きなんです私。」

誰かの隣を歩くなら、あなたの隣が良いって思ったの。


「…くそ、こうゆう時くらい、男にカッコつけさせてくれよ…。」

「ごめん…もう我慢したくない。」

「あほ。」

そいって、私たちはどちらからというわけでもなく、2度めのキスをした。

1度目のキスとは違う。

とても優しいキスに

私は、もう離れなれないだろう。


「大次さん…も一回言わせてください。」

「なに?」

きっとこの先、私は何度でも呆れるくらい、この人にたくさん言っていくのだろうな。


「大好きです!!!!!!!!!」




大好きと言わせて【完】

次は、番外編です☆