俺チョーカッコ悪いな。



国彦が空気読んで帰った後。



なつきが、近寄ってくる。


何か言いたげにこっちを見る。






え、やばい。まってまってまって。



最高潮にめかしこんだなつきに真っ直ぐに見つめられる。


てか、コイツこんな目してたんだ。
まつげ長くて、かわいいな。



って!こんな余裕ないときに、こんな感想言える俺は、まだまだ子供か?



「会いたかったです。」



そして、予想もしてなかった言葉に言葉がさらにつまる。




あーだめだ。俺もういま絶対顔赤い。


隠すように、なつきに背を向ける。



あー。おれ。




なつきが好きだわ。









一人の男は、ある日の昼

自分の気持ちに正直になった。



「なつきいくぞっ」

「え??うん!」


今日だけは、この距離だけは、この手を繋いでいてもいいだろうか。




それくらいは許されるだろう?


男の口元は微かに微笑んだ。