「おい。昼間っからこんなとこで女口説いてんな、国彦。」

強引に開かれたカーテンの向こうから聞き覚えのある声がする。

「ちぇーー。あとちょっとだったのに。」


私が知ってる、ムカつくやつ。


「おまえ、昼からの会議サボっといてよく言えるな。」


黒髪の短髪で、色が白い、名前だっておおじみたいなのに


「だって、、こんなおいしいお使い任されて寄り道しない男いるかな?」


身長も高くてスタイルもいい、本物の王子さまみたいなのに。


「コイツいじめていいのは俺だけなんだよ。」


意地悪だし、性格悪いし、


「ひゅー。そんな恥ずかしいことよく言えるねー。」


自信家だし


「当たり前だ。」



超ムカつくやつのに。




でも、思い出した。




大次さんだ。





あの時、私が見たあの人は。

あの橋で、見た人は。

ずっと、忘れられなかったあの人は。








もう、こんな近くにいたんだ。。