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その日の夜。

私は大学から独り暮らしを始めるために不動産へ来ていた。


もう、すむ家も決まっており、あとは、親に誓約書にサインしてもらうだけだったのに、それをすっかり忘れていて急いでサインしてもらい、私の新居の近くの不動産に走っていた。


私の新居の近くにはすごく大きな橋があって、絶対そこを通らなければいけない。

でも、今日はかなり風が強くて、しかも夜だったし、私は橋の真ん中辺りでつまづいてしまった。


「あーー!!!書類が!!」


大胆に広がって落ちてしまった書類を、飛ばないように広い集め、封筒に直す。


でも、立ち上がったらまた落としてしまった。


「あー、!もう!急いでるのに!!」


適当にかき集めて、書類を抱き抱えると、もうとりあえず不動産屋さんを待たせてるので急いでいかなきゃ!と思い走った。


その時、ふと見えた対向車線にいた男のひと。

見覚えのあるスーツに、黒髪の長身の男の人。


あれ?あのひと、、たしか、、


昼間に、茜とみた男のひとに似てる?てかあのひとだ。

ん、、?こっち見て笑ってた……?


は、恥ずかしい!!!見られてた!?




なんて、思いながら不動産屋につくと、


「あれ?!誓約書ない!!」


さっき、、さっき橋で落としちゃったんだ!!