「じゃあなに、、?」


そう言うと、茜が、よく見て!!っと小声で耳元に近寄ってきた。

「……あの人、チョーーーかっこいいの!」


そう、茜に言われ、よく見て見る。


パット見、ただのサラリーマンにしか見えなかったけど、よく見たらかなり身長が高そうだし、体もスラッとしている。

今時珍しいほどの黒髪に、だらしなく伸びている訳じゃなく、ほどよい短髪といった感じで

高そうなスーツを、うまく着崩していて


確かに、、かっこいいかも。


「やばいー!私声かけちゃおっかな~~!!」


「やめときなって、、どうせ高校生なんか相手にされないよ、、。」



「もーー。なつきってほんと臆病だよね!声かけてみなきゃわかんないじゃん!」



「いや、一般論だと思ったんだけど。」


「いいの!じゃ、わたし、、あー!!!……いない!」


私たちが、ガヤガヤと話している間に、あの男の人はいつの間にかいなくなっていた。


「あーあ。」


ちょっと残念そうな茜に、私が声をかける。


「そういば茜、今3時だけど、陸上部の送別会って何時からなの? 」

あ!!わすれてた!!っと茜が大きな声で叫び

凄い早さで消えて行く。


「ほんと、自由だなぁ。」


一人取り残された私は橋をみた。