「……あの、浅野課長。どうしても2人きりで話したいことがあって……今日、仕事中に時間見つけてこっそり会えませんか?」
「え? ……会社で2人きりになるのは避けようって話だったよな?」
「そうなんですけど……」
瀬尾さんが私たちのアパートの周りに見張りをつけていたら、2人で会ったことがばれてしまう。
麻友さんが部屋を引き上げた今、そんなことを考えるのは非現実的かもしれないけれど、もしものことを考えるなら要求には忠実に従っておいたほうがいいはずだ。
だからといって、そんな理由があって会社で会いたいんです……なんて言えないし、どうしよう……。
