誰よりも熱心に化粧品を分析していて、誰よりもストイックに努力している浅野課長が……。 そのことをよく知る私に、選択肢を迷う権利はなかった。 「……わかりました」 「よかった。じゃあ、とりあえず今日から1か月の間よろしく」 私がやっとの思いで口に出した一言に頷くと、瀬尾さんはにっこり微笑む。 私はその微笑みをぼんやりと眺めながら、つい2日前に開いた胸の中の小さな箱に、また蓋をして鍵をかけた。