「その女性が言うには『あなたたちの取引先で社内恋愛禁止の会社に勤めている女性が、その規則を破って上司と付き合っている。そんな社員がいる会社の商品は信用できないから、もう二度と来ない』……と」
うそ……。私は思わずそう言いそうになったのをぐっとこらえて、手を握りしめる。
そんなことができるのは麻友さん以外にありえない……まさか腹いせにこんなことをやってのけるなんて……。
そっか。だから、問い詰められないようにあのアパートを出ていくことにしたんだ。
私はやっとその行動の意味を理解するのと同時に、昨日何も考えずにのんびりしていた自分をうらめしく思った。
