「お待たせしました」
そう言いながらこっちにやってきた瀬尾さんは、いつもと何も変わらずにこやかな笑顔を浮かべている。
「こんにちは」
私もつとめていつも通りに、営業用の笑顔を顔に貼り付けて挨拶した。
「急に誘ってしまってすみません。じゃあ、入りましょうか」
瀬尾さんに連れられ中に入ると、土曜日だということもあってか店内はかなり混みあっている。
今日も料理を予約してくれているらしく、ドリンクだけ頼むとウェイターはすぐにキッチンのほうへと戻っていった。
「……さて、じゃあ早速ですが本題に入らせてもらいます」
彼はメニューを横に置きながら、そう言って私を正面から見据えた。
