――ピンポーン そわそわと雑誌を眺めていた私は、待ちに待ったインターホンの音にすぐさま反応した。 『やっと浅野課長に会える』と思ったけれど、なんだか餌を待っていた犬みたいですぐに出ていくのは恥ずかしい。 10秒待ってからゆっくりドアを開けると、そこにはまだスーツ姿の彼が立っていた。 「お待たせ。残業してたらちょっと遅くなった。今から来れる?」 「はい……あ、ちょっと待っててください」 私は用意しておいたものを思い出して、部屋の奥に戻る。