冷徹上司は大家さん!?



 アパートに帰ると、門の前に1台の大きなワゴン車が止まっていた。

 空が暗くなってきたのでよく見えないけれど、開けられたトランクにはイスや枕のようなものが積まれている。

 少し不審に思いながら門の中に入ると、逆側、右端の階段を降りてくる人影が目に入った。


「え……?」


 目を凝らしてよく見ると、それは麻友さんだった。

 小さめのライティングテーブルとクッションを抱えて階段を降りきると、彼女はその荷物をさっきのワゴン車に運び入れる。


 それが終わるとふう、とひとつため息をついてまた階段を上り、自分の部屋へと戻っていった。