「悪い悪い、そばにいるとやっぱり触りたくなっちゃって。……永原、今日の夜空いてる?」
「……はい」
「触りたい」という言葉のストレートさにドキッとして目を背けたけれど、私は自分でも無意識のうちに返事をしていた。
「よし、なら仕事が終わった後何時でもいいから俺の部屋に来て。それじゃ」
浅野課長はそれだけ言うと立ち上がり、私の頭にキスを落としてミーティングルームを出ていった。
「……」
ずるい。あんなふうにストレートに気持ちを伝えたすぐ後に、私を一人残していくなんて。
彼をうらめしく思う気持ちとは裏腹に高鳴る心臓の音を無視し、私ものろのろと立ち上がった。
