「永原、その中に例の書類あるよな? 俺が拾うの手伝うから、ちょっと確認させてもらえるか」
そう言って私の横にしゃがみこむ浅野課長。
有無を言わせないそのオーラに圧倒された明菜は私に「じゃあ、私必要なさそうだから先に行ってるね」と言って、急ぎ足でオフィスへと戻っていった。
ミーティングルームのドアが閉まり、私と浅野課長以外に誰もいなくなる。
「……あの、例の書類、なんて私知りませんよ?」
「だって、絶好のタイミングだっただろ? この状況なら2人きりでいてもまったくおかしくない」
私が訝しげに聞くと、彼は散らばった書類をかき集めながら「してやったり」という顔で笑った。
