「大丈夫だよ。さっきも言ったように、あの程度の写真ならなんとでも言い訳できる。いざとなれば、大家と住民っていう関係を主張する証拠を突きつければいい」
「でも、何度も個人的に会っていることが知られたら……」
「……じゃあ、こうしよう。これから俺たちは恋人になるけど、いつどこで話すときもお互い会社での呼び名しか使わない。それから、会社では2人きりにならない。これでどう?」
たしかに、それだけ徹底すればリスクは大分減るだろう。最後の切り札もあるんだし。
「……それならまあ、いいですよ」
「なんで上から目線なんだよ」
そう言って笑いかける浅野課長の顔を見上げながら、私は何気なく使われた「恋人」という言葉にドキドキしていた。
