「す、すみません……」 「いや、いいよ。いつものことだけど揺れるな。でもまあ……」 彼は言いかけたまま私の耳元に顔を近づけると、 「ちょうどよかったかな」 小声でそう囁いて、ポーカーフェイスを少し緩ませた。 「……っ」 電車の揺れがおさまった後も、彼は私の体を抱きとめたまま離さない。