「あのさ。こんな三十路目前のおっさんが今さら告白なんかしてきたら、引かない?」
「……それは実際にしてみてもらわないと、わかりません」
私がそう答えると、彼はいつも通りの目をすっと細める笑顔をやっと見せてくれた。
「好きだよ、永原。そんな表情見せるのは俺だけにして」
彼はそう言って、ふわっと私を抱き寄せた。
その体の心地よい温かさに身をゆだねて目を閉じる。
そんな表情って、私は今どんな表情をしているんだろう……などと考えながら、それを確かめることも彼にひとりじめさせてあげようと思い直し、ぎゅっと抱きしめ返した。
