「…………はい」
「やっぱりね。でもさ、この写真バラされたら困るよね? 一花ちゃんも、浅野課長も」
麻友さんがわざと私の真似をしてゆっくり口にした「浅野課長」という呼び方に、体がぴくっと反応する。
「浅野さんのことが好きなら、なおさら身を引いたほうがいいんじゃないかな」
「……」
何も言い返せない。
たとえこんな写真を突きつけられなかったとしても、そして麻友さんが浅野課長のことを好きじゃなかったとしても、私が部下である限り彼にはこれ以上近づけないのだから。
まして、私は彼にとってただの隣人でしかないのだから言うまでもない。
私が押し黙っていると背後から誰かの手が伸びてきて、目の前に差し出されていた携帯を取り上げた。
