麻友さんの部屋は浅野課長や私と同じ3階の一番右端にある。 私はゆっくりといつもの階段を上って自分の部屋の前を通り過ぎ、麻友さんの部屋のドアの前に立った。 時刻は22時半。 遅い時間だけれど、この前料理教室で会ったときには「私フリーターで毎日夜更かししてるから、いつでも飲みに誘ってね~」と言っていたし、きっとまだ起きているだろう。 私はおそるおそるインターホンを押した。 「はーい」 「あ、麻友さん、私です。一花です」 「はいはい、ちょっと待っててね」