私はそう考えながら始業時間まであと10分という時刻を知らせる時計を見つめ、浅野課長と目が合わないよう計算してデスクの上に私物を置き始めた。 幸い、私のデスクは浅野課長のデスクから一番遠く離れており、オフィスと廊下を隔てるドアまでの動線上にも位置していない。 視線さえ合わせなければ、この忙しい時期の仕事中に何か話しかけられることもないはず。 私は徹底的に浅野課長を避けるための方法を駆使しつつ、来週の納期まであと少し残っている仕事を片づけ始めた。