冷徹上司は大家さん!?

「永原ってほんと、なんにでも一生懸命だよな。新しい仕事にもついていってるし、料理が苦手なのに、病に伏した隣人のためにお粥作りに来てくれるし」


 病に伏した隣人。その、余りにも他人行儀な言葉に違和感を覚えて手を止める。


 そっか、浅野課長にとって私は会社の部下で、隣人。

 ただそれだけなんだ。

 私の顔色の変化に気づいてくれたり、何気ない一言を覚えていてくれたりしたことは、きっと浅野課長にとってなんでもないことだったんだ。



 何か、私と浅野課長の間にはっきりと境界線が引かれた気がした。