冷徹上司は大家さん!?

 商品決定チームといえば、うちの会社の部署のなかでは花形中の花形。

 商品発案チームが一生懸命コンセプトを考えて企画した新商品のサンプル案も、商品決定チームが却下してしまえばすべてやり直しになる。

 どのサンプルを実際に商品化するかについての最終的な決定権があるから、やりがいが大きい分責任も求められる仕事だ。

 そんな重要な仕事を異動して間もない私に手伝わせようとするなんて、いったい浅野課長にはどういう意図があるんだろう。


「ちょうど人が足りなくて困っているところだから、ぜひ頼みたいんだ。スケジュール的に厳しければやめておくけど、どうする?」


 そう言って私を見つめ、答えを待つ浅野課長。

 どうしよう……早速パッケージ見直しの仕事を明日までに仕上げないといけないのに。

 その仕事だってパッケージ調整の最終段階として行うものだから、つきまとう責任は重大だ。

 でもこれを断ったら、商品決定チームで仕事できるチャンスなんてもう二度とないかもしれない。


 私は突然の提案に驚いてぼーっとする頭をフル回転させて必死で考え、結論を出した。