幸福論

高校生だったころは、ちょっとおとなしい子だなとか、どこか不安げに瞳は揺れていて、いつもどこか遠いところを見つめているとか、そんなことを感じていた。

でも、さまよう瞳のなかに、なにか強い光が宿っている。

そのころのわたしは、あこに漠然とそんな印象を抱いていた。