幸福論

「…もう、やめようよ」

まただ。

この話になるといつもあこはわたしとの同居を解消したがる。

「黙っててごめん。言えなかったけど、もう限界なんだ。あたし、ゆきちゃんのお金、黙ってとってた」

知っていた。

大学で必要な材料を自費で買わなければならないとき、財布の中に入っているはずのお金が減っていること。

「うん。知ってる。だからなに?」

わたしはこの生活に疲れている。

でも、あこを手放す気はさらさらない。